【主張】賃金もスマホ決済の時代

厚生労働省は、「資金移動業者」の口座への賃金振込みを可能とする仕組みの検討を開始したという。紐付け銀行口座からの不正資金流出が大きな社会問題となっているが、賃金の振込口座の対象に設定することとは別問題である。とくに、若い社員にとっては、利便性が向上し喜ばれるだろう。本人の希望に沿うのなら問題はなく、積極的に進めてもらいたい。
9月に発生した資金移動業者にかかわる不正資金流出事件は、衝撃的だった。賃金振込口座として適正か否かの検討を開始した矢先である。紐付けられた銀行口座からの不正出金ではあるが、資金移動業者自体の信用を大きく損ねたのは間違いない。万全な対策を講じてもらいたい。
他方で、資金移動業者の口座への賃金振込み自体は、早期に実現すべきである。世界的に遅れているスマートフォンを通じたキャッシュレス決済の拡大にも貢献する。利用の中心となる若者にとっては嬉しい取組みである。
実際にも、資金移動業者の口座へ直接賃金の振込みが行えるようになった場合、約4割の消費者がそれを検討すると回答しており、ニーズは少なくない。キャッシュレス決済の促進を目的としたポイント還元が広まるなど、競争政策上の観点からも新たな事業者の参入は好ましい。勤労者、消費者にとって有利に働くのは間違いない。
スマホをはじめとする通信サービスの活用が重要な要素となっている外国人労働者にとっても朗報である。より円滑な口座開設、日常的利用につながれば、日本での生活をサポートできる。
課題は、資金移動業者が破綻した場合の資金保全である。利用者は、資金移動業者が一定の方法で供託している資産から弁済を受けることができるが、取扱額が週ごとに大きく変動するような場合には、供託額が必ずしも十分とはならないケースがあるという。その場合、債権額に応じて按分した弁済しか受け取れない可能性がある。
政府が一体となった万全な保証態勢の整備を大前提として欲しい。

近頃何か物を購入する際のレジで、どのキャッシュレス決済が対応可能か即座に確認するようになった。

今はレジ横に表示しているお店も多く、自分のスマホに入っているアプリで決済可能かどうか、複数あった場合はこのお店ではどれがお得か、ポイントの使用期限が迫っているのはどれだったかなど、瞬時に判断するのである。

それ程キャッシュレス決済が可能なお店が増え、種類もどんどん増えている。

その為財布の出番はほとんどなくなり、買い物にも基本的にはスマホしか持って行かなくなった。

ここまでキャッシュレスが普及したのは、昨年の増税時に始まったポイント還元企画の影響も大きいが、このコロナ禍でより広まったようだ。

更に給与の支払いまでスマホで決済の時代になると、より一層普及率が高まるのではないかと思う。

ただやはり年配の方や、古くからある個人経営のお店など、現金以外の決算方法を取り入れる事に抵抗がある人が一定数いるのは理解出来るし、クレジットカードすら持たない、完璧な現金主義の人も多くいるのも事実である。

また、お金の有り難味や自分自身の仕事への頑張りを実感してもらいたい等の理由で、未だに給与を現金支給している事業所もあるくらいだ。

もちろんそれぞれの価値観があって良いし、それぞれメリットもあるとは思う。

給与に関しては元々現金手渡しが一般的だった訳で(封筒の厚みで他人との差が明確にわかるのは、今思えばいかがかと思うが)、お札や小銭を準備したり等その手間を省く為に銀行振込みが導入され、今では一般的となっている。

そこから、わざわざ現金を引き出しにATMへ行く手間も省ける、スマホにチャージする手間も省ける、等のメリットにより、「賃金もスマホ決済」が一般的になる日がくるのか。

どこまで普及するのかが楽しみである。

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