残業時間の端数処理は可能か?(2010年1月21日)

残業時間の端数処理は可能なのでしょうか?

時間計算ではいろいろなケースが考えられますが、

例えば、よくあるケースしては、15分単位(切り捨て)として

7時10分まで働いた場合→7時まで勤務したものとみなす

7時20分まで働いた場合→7時15分まで勤務したものとみなす

として残業代を計算している会社はよくありますね。

それは、問題ないのでしょうか?

労働基準法では、

「賃金は、通貨で、直接労働者に、

その全額を支払わなければならない」

と定めています。

この原則により、会社は労働者が働いた労働時間を

1分たりとも、勝手に切り捨ててはいけないのです。

最近では「1分単位まで、計算をすること」

ということが、監督署の調査等により厳格に指導されています。

しかし、この全額払いの原則を厳守すると、

事務処理が煩雑のなるケースがあるため、

通達では、一部例外が認められています。

時間外の端数については、

「1カ月における時間外労働、休日労働及び深夜業の

各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、

30分未満を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること」

は違反として取り扱われない、という通達です。

つまり、「1日ごと」の労働時間を四捨五入で

処理することは許されませんが、

「1ヵ月」の労働時間を集計し、四捨五入することは

法的に問題はありません。

常に端数を切り上げるのであれば、従業員に有利なので

問題はありませんが、

毎日の労働時間を切り捨てることはもちろんのこと、

四捨五入することも認められていないのです。

しかし…

最近1分単位で計算をする会社が増えてはきたものの、

まだまだ最初にあげた事例のような

15分単位(切り捨て)の会社が多いですよね。

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