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労働時間の繰り上げ、繰り下げとは


  労働時間の繰り上げ、繰り下げとは実労働時間を変えることなく、
  所定の始業時間と終業時間を早くしたり遅くしたりすることです。

  例えば、午前中は業務に余裕があり、
  午後は忙しくなることが予想される場合などは

  通常9時〜18時(休憩1時間)の所定労働時間を
  10時〜19時(休憩1時間)に繰り下げたり、
  または12時〜1時の休憩を11時〜12時にすることで
  午後の忙しい時間帯に人員を確保できます。

  ただし、本来の労働者の義務は、
  所定の始業時間に出勤し、所定の終業時間まで
  労働することですので、使用者が業務命令として、
  労働時間の繰り上げ・繰り下げをしたいときは
  就業規則や労働協約に、次のような定めが必要になります。

  1.具体的事由を定める

  「業務の必要上始業・終業時刻を繰り上げ
  または繰り下げることがある」
  旨を定めておくだけでも有効と解されますが、

  使用者の都合でいつでも事由に労働時間が変更されてしまっては、
  労働者の労働時間が不安定になってしまいます。
  そのため、実際に業務命令として強制するには、
  業務状況などによって労使ともにある程度の予想がつくものでないと
  難しいでしょう。

  2.前日の勤務時間終了時までに通告する

  始業時間の繰り上げ・繰り下げは、労働契約の内容を
  臨時的に変更するので、休日の振替と同じような性質であると
  考えられます。

  休日の振替が、前日までに予告すべきとされている以上、
  始業時間の繰り上げ・繰り下げも前日の勤務時間終了までに
  労働者にあらかじめ通告されなければなりません。

  3.時間を特定して周知する

  所定の始業時刻と終業時刻が明確になっているのと同様に、
  労働時間の繰り上げ・繰り下げをするときも、
  何時から何時まで繰り上げまたは繰り下げるのかを
  少なくとも前日までには、労働者に伝えておかなければなりません。

  4.始業・就業時間の変更が生じる条件を定めておく

  「遅刻や、私用外出等の職場離脱時間がある場合には、
  自動的に終業時間は繰り下がるものとする」と規定するなど、
  あらかじめ一定の条件を定め、その条件に該当したときは
  自動的に繰り上げ・繰り下げの効力が生ずるように
  しておくこともできます。

  1〜3までとは趣旨が異なりますが、
  このような定めをすることで、遅刻をした労働者等に
  個別に繰り上げ・繰り下げを適用し、
  残業代を支払うことなく、定められた実労働時間まで
  勤務させることができます。

  業務の繁忙状況を把握し、労働時間の繰り上げ・繰り下げを
  有効に活用すれば、効率的に業務をこなすことができます。

  そうすることで、使用者は残業代を削減できますし、
  労働者は実労働時間はそのままで、
  時差出勤による通勤ラッシュの回避や、
  早帰りによるプライベートの確保ができ、
  労使双方にメリットがあるのです。
  

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