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宿日直勤務の許可は簡単に受けられる?(2010年9月13日)

前回は、管理監督者について書かせていただきましたが、

管理監督者の他にも労働時間、休憩及び休日の適用が除外される

「断続的労働」の一つである「宿日直」について

書かせていただきます。

「宿日直」とは、使用者の命令によって一定の場所に拘束され、

緊急電話の受理、外来者の対応、

盗難の予防などの特殊業務に従事する者で、

夜間にわたり宿泊を要するものを「宿直」といい、

勤務内容は宿直と同一で、その時間帯が主として

昼間であるものを「日直」といいます。

宿日直勤務を行うには、

「所轄労働基準監督署長の許可」が必要になります。

その際の許可条件は以下の通りになっています。

  • 原則として、通常の労働は許可せず、定時的巡視、緊急の文書または電話の収受、
    非常事態発生の準備等を目的とするもの
  • 宿直、日直とも相当の手当を支給していること
    (1回の宿日直手当の最低額は、宿日直につくことの予定されている同種の労働者に対して支払われる1日平均賃金額の3分の1)
  • 原則として、勤務回数は日直については月1回、宿直については週1回を基準とすること
  • 宿直については、相当の睡眠設備を備えていること

このように、宿日直勤務とは労働の密度や態様が

普通の労働とは異なりますので、

普通の労働と一律に規制することが適当ではないとされています。

そのため、宿日直勤務に関しては1日8時間、週40時間という

法定労働時間に関わらず、労働者を使用することができます。

また、労働基準法は宿日直勤務の許可を受けた労働者について、

「労働時間、休憩及び休日に関する規定は、適用しない」としています。

使用者からしてみれば、2割5分増以上の賃金を支払い、

深夜勤務として扱っていた時間が、

宿日直勤務の許可を受けることができれば、

その時間の賃金の支払いは平均賃金の3分の1で済むようになります。

しかし、労働者側にとってはそれまで深夜労働として扱われていたものを

何でもかんでも宿日直勤務扱いにされてしまっては困ってしまいますので、

監督署の許可には細かな条件が設定されているようです。

以前、この申請を行おうとしたことがありました。

許可を申請しようとしたお客様の業種は旅館業、

もう少し詳しく説明しますと、ラブホテルのフロントです。

深夜に宿泊客が来ることはほとんどなく、

来客があった時以外、従業員は奥の部屋で寝ているということでしたので、

宿直にあたるのではと思い、申請を行おうとしたのです。

許可申請書自体は簡単な書式だったので、

許可も簡単に下りるのかと思っていましたが、

監督署に電話で業種、勤務態様を説明し、

許可されそうかどうかを尋ねてみると

「それは許可されませんね。」とのお返事でした。

監督署によれば、このケースでは、ほとんどの時間寝ているとしても、

従業員は常にお客様が来る時に備えて緊張を強いられており、

通常の労働時間と変わらないと見なされるため、

宿日直の許可はされないとのことでした。

このことから、宿日直の基準は一般的な認識よりも

厳しいことが分かりました。

もう一つ、宿直の導入を検討していた葬祭業についても尋ねてみました。

深夜に病院から電話があれば遺体を引き取りに病院へ行く、

というもので、平均すると月10件程度の電話を受けるそうです。

この勤務態様に関しては「許可される可能性はある」とのお返事で、

従業員の宿直回数や宿直部屋などを勘案して判断するとのことでした。

今後の参考のために、許可申請をするときの添付書類は何が必要なのかを

お聞きしたところ、

  • 勤務の実態が分かる日報
    (業務の内容が宿日直勤務にふさわしいかどうかを判断するため)
  • 賃金台帳
    (最低でも1日の平均賃金の3分の1が支払われているかどうかを確認するため)
  • 睡眠設備がある部屋の見取り図
  • その他、状況に応じて監督署が必要と認めるもの

以上の書類を提出後、現地調査が行われ、可否が決められるとのことでした。

加えて、宿日直の許可が厳しくなってきているということでしたので、

実際に許可を申請する際には、

きちんと実態を証明できる書類をそろえなければなりませんし、

現地調査にも立ち会わなくてはいけませんから、

多くの手間と時間を要することを認識しておかなければいけませんね。

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