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あっせん状況の処理状況について


  現在では、労使間で何かトラブルが起これば、
 労働者に有利な傾向にあり、
 労使トラブルには敏感にならなければいけない時代です。

 従業員とのトラブルが起きないようにするのはもちろんですが、
 どんなに注意をしても人を雇って会社を経営する以上、
 労使間でトラブルが起きる可能性はどんな会社にもあります。

 もし、トラブルが起こってしまった時に大切なのは、
 問題をどのようにして解決に導いていくかです。

 もちろん、話し合いで解決するのに越したことはありませんが、
 現実的には話し合いだけでは折り合いがつかず、
 金銭による対応・解決が挙げられます。

 ここでは、労働政策研究・研修機構(JILPT)が
 個別紛争解決促進法に基づくあっせん事案の処理状況を分析し、
 まとめた研究報告書の内容を紹介します。

 この報告書は、2008年度に4つの都道府県労働局で取り扱った
 1,144件のあっせん事案をサンプルとし、
 正社員・非正規・派遣など就労形態別に、
 合意成立の比率・解決金額等のデータを示しています。

 まず、あっせん内容で多かったのは次の3類型です。

 1、雇用終了など・・・66.1%
 2、いじめ・嫌がらせ・・・22.7%
 3、労働条件引き下げ・・・11.2%

 このうち、1と2について見てみると、

 1、雇用終了など

 雇用終了の形態は解雇(普通、整理、懲戒)、
 雇い止め、退職勧奨、採用内定取消などです。

 雇用終了の原因は、経営上の理由が28.8%、
 態度22.1%の2つが突出しています。

 規模別に見ると100人未満の企業が61.2%を占めており、
 法的な検討をせずに解雇などの決断を下し、
 紛争になったケースが多いのかも知れません。

 もちろん会社側にも言い分はあるでしょうが、
 「経営が苦しいから」「上司に対する態度が悪いから」といって
 簡単に解雇にすれば紛争に発展する可能性は高くなります。

 この場合、紛争調整委員会があっせんを開始しても、
 半分近くは「当事者が不参加で打ち切り」になっています。
 つまり、あっせんに至った段階で労使間の感情は
 相当にこじれていることが伺えます。

 合意が成立した233件については、解決金額を調査したところ、
 4分の1が10万円台に集中しています。

 裁判まで至った場合を考えると、
 たとえ和解が成立しても
 これより高い金額での解決が予想されますし、
 多くの時間も要します。

 対して、あっせんに要する期間はほぼ半数が1ヵ月以内、
 9割近くが2ヵ月以内となっており、金銭的にも時間的にも
 節約・短縮できる可能性が高いようです。

 2、いじめ・嫌がらせ

 いじめ等の加害者は、上司が44.4%、先輩・上司が27.1%、
 会長・社長等が17.9%の順になっています。

 被害者は、女性、非正規労働者、
 障害者などが上位を占めています。

 いじめ事案では、大多数が最初に上司・会社に相談したものの、
 まともに取り合ってもらえず、
 あっせんを申請したというケースが多いようです。

 報告書によると、暴力を加える、罵声を浴びせる、
 仕事を与えないといったよくあるパターンのほか、
 客観的にはいじめと思えないようなささいな行為を
 理由とするあっせん申請も多いそうです。

 あっせんの結果は、当事者の不参加が36.9%、
 合意成立が30.8%になっています。

 解決にこぎつけたケースの合意金額は、
 雇用終了のケースと同じく10万円台が最も多く、
 全体の27.5%を占めました。

 以下、20万円台20.0%、30万円台15.0%という順になっています。

 また、あっせんに要した期間は86.5%が
 2ヵ月以内であり、早期の問題解決に結びついています。

 「誰かに話を聞いてもらいたかった」というような
 ささいなケースがあることも要因の一つですが、
 この場合でも裁判になった時に比べれば、
 より短い期間で、より低い金額で
 問題を解決できる可能性が高いと言えるでしょう。

 顧問先の社長様から労使トラブルの相談を受けることはありますが、
 その中には、
 「なんでそんなことで時間とお金を使わなければならないんだ・・・」
 と社長が思わず言いたくなるようなささいなことを
 従業員が問題にしてくるケースもあります。

 このようなトラブルをなくすための、
 絶対的な対策はありませんが、

 何気ない時に一声かけるなどの
 日頃のちょっとしたコミュニケーションを
 円滑にすることで社内の雰囲気も良くなり、
 紛争防止につながることもあるでしょう。

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